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同人誌を作るには(1)〜印刷所を探してみた〜

デジタルコンテンツだけでなく、リアルに手に取れるものを作りたい!という思いから、小冊子・・・もとい、同人誌(ファンブック)を作ることにしました。

1冊目は、パイロット版として冊数限定の無料配布を考えています。年末に参加するイベントに合わせ、出合った方々に細々と手渡し配布できればいいなと。

ただ決めただけだと、わたしの性格上、有言不実行のまま計画倒れになりそうなので、逃げられないように、また、記録を残すために、完成までの数回のドキュメントを書き残すことにしました。

では、まず第一回目。
なぜ作ろうと思ったのか?というきっかけの話しと小冊子の印刷についての検討を書きます。

わたしもこんなの出してみたい!

漫画とアニメにどっぷりはまった高校時代。同人誌も買いまくっていました。1988年のことです。当時はネットもなくて、情報を手にすることが貴重でした。公式ではないけれど、同人誌も派生した貴重なコンテンツだったのです。

同人誌即売会があると聞けば、遠方でも参加していました。高校生の微々たるお小遣いを全部つぎ込んでいた、というぐらいにハマっていました。楽しかったなぁ・・・。

そんな私も大学に入ってから、同人誌を買いあさる日々から足を洗いました。忙しくも楽しい実生活に日々追われていたから、というのが理由です。

それから27年がたち、、いま同人誌を作ろうと思い立ったのです。きっかけは、アニメ以外のジャンルについて書かれた同人誌とのであいでした。

最初に目にとまったのが、サークル“jadda”さんが発行された「jadda+ Issue #1」です。

これは、「デザイナーの業種研究」・「デザインとデザイナーがもっと身近になる情報誌」というテーマで、異なる分野のデザイナー数名のインタビュー記事が掲載されています。

『こんな同人誌もあるんだ!』と驚きました。それから、漫画やアニメ以外のジャンルの同人誌を探しては買いました。デザイン関連だけではなく、グルメ・観光・趣味について掘り下げたものなど、探してみると、たくさんありました。

サークル“Circles’ Square”さんの同人誌では、「同人誌を発行すること」というテーマのものを数冊読みました。業界の裏話的なことを、まじめにまとめている様子は興味深くて、あっというまに読んでしまいました。

サークル“コロリメイジ”さんの同人誌「DESIGN NOVEL」では、本文のさまざまなデザインについての試作を読みました。本文のフォントや色を変えてみたら、いろんな味わいが変わってくるという発想がとても興味深かったです。

最近では、サークル“Windac Studio”さんの「PowerPoint」を題材にした同人誌が印象深いものでした。中身も市販の本に引けを取らない内容で、装丁もページレイアウトもとてもプロっぽくて、本自体がスマートで恰好いいと感じました。

いろんなジャンルの同人誌を読む中で、『わたしもこんなの出してみたい!』と思ったのが、今回のきっかけです。アニメや漫画でなくとも、わたしが好きで追いかけてるアレやコレのことを実際に手に取れる紙の本で形にしたいと思ったのです。

また、デジタルコンテンツを公開する物足らなさ、わびしさみたいなのを感じていたのかもしれません(ここを話すと長くなるので、機会があればまた)。

とにかく、手に取れるリアルなものを作ってみたくなったのです。

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今回作る同人誌の仕様

幸いといいますか、同人誌を買う立場に復活し、購入したいまどきの同人誌がたくさん目の前にあります。これらをお手本に、何冊もの同人誌に出会う中で、自分が作りたい同人誌のカタチも固まってきました。

まず、配布するシーンは、こう決めました。

  • 初回の同人誌は、無料で知人に配布する
  • 今年の年末年始に参加するイベントで出会った方に配る

販売するより、まずはまわりの反応を確かめたいなと思ったからです。そうすると、あまり予算はかけられません。また、読む方の負担になるようなボリュームも避けようと思いました。

あまり小さすぎてもインパクトがないので、サイズは大きめで。年を重ねると小さい文字が読みづらくなるので、文字も大きめとしました。

テーマは、WebやDTP界隈の方々になじみのある「Adobeソフトについて」としました。単に便利なノウハウを伝えるだけだと面白くないので、読み物として面白い内容になるようにネタを集めています。

クラウドソフトになってから、仕組みも、使いどころも、面白さもずいぶん変わったので、しばらくバージョンアップしてない方々に向けて、何か伝えられないかなと思っています。

これらを総合して考えると「A4サイズ、できればカラー(少なくとも表紙だけでもカラー)、初版100部、中綴じ(180度開く形式の綴じ方で読みやすい)」で行こうと決めました。

また、印刷するときの紙の厚さは、「表紙110g・本文90g」にしようかなと思います。

印刷所から届いた紙のサンプルをみていて知ったのですが、紙の重さ 110g は“映画のパンフレットぐらいの厚さできちんとした表紙にみえる厚さ”、90g は“ちょっと厚めのちらしぐらい。ハガキほどしっかりしていないけど、ペラペラでもない厚さ” でした。

低予算で作るとしても、ペラペラの頼りないものを作ってしまっては、意味がありません。「まずは手にとって、完読してもらうこと」を目指そうと思えば、それなりの器も必要になると思うのです。

紙と印刷したインクの乗り具合は、印刷所によって差がでるみたいので、比較中の印刷所さんのサイトから、見本を取り寄せて検討を重ねています(見本は、たいてい無料で送付してもらえるので、事前に見ておくと品質が想像しやすいですよ)。

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印刷所を比較する

仕様が決まったところで、次は、印刷所の検討です。“印刷.com”のように複数の印刷所をまとめて比較検索できるサイトもあるのですが、印刷所によってオプションが違っていたりして、うまく比較できないケースもありました。

そこで、比較サイトでよく名前のあがるところや、Google検索で上位にヒットするところを調べ、三社に絞って同じ条件で価格を比較することにしました。

わたしが印刷したい同人誌の条件から考えると、“グラフィック”さんが一番がよかったです。ここは、「表紙」のオプションをきめ細かく設定できるので、無駄を省いて必要十分にかつ安く抑えられます。

また、モノクロ(表紙だけカラー)の条件にした場合は、“ネットDEコム”さんがダントツにやすく仕上がるみたいですね。

かわった形式では、“ネットDEコム”さんは、針金無し製本冊子(スクラム製本)という綴じない製本をすることができ、20ページまでという制限があるものの、フルカラー印刷が4万円台でできてしまうのも捨てがたいところです。

綴じない状態で納品してもらい、後から自分で中綴じにすることもできます。15枚までという制限がありますが、“マックス タテヨコホッチキス ホッチくる”というホッチキスを使えば簡単です。

いま取り寄せている印刷見本を見比べてから、最終的にどこにお願いするかを決めようと思っています。

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コピー本、という選択肢もある

印刷所を調べていて偶然知ったのですが、コピー機を使って小冊子を作る方法もあるそうです。同人誌業界では、メジャーなんだそう。

ひとつは、セブンイレブンのマルチコピー機の小冊子プリント機能を使うという方法です。セブンイレブンにあるコピー機を使って、USBで持ち込んだPDFデータを自動で面付けして、小冊子として印刷が可能なのだそうです。

綴じはしてくれないので、自分でする必要がありますが、モノクロA3まで10円程度でプリントできるので、ずいぶんコストが抑えられそうです。

もうひとつは、キンコーズのセルフ自動製本コピー機械を使っての小冊子印刷です。

こちらは、ホチキスで綴じも自動的に行われます。こちらも、モノクロA3まで10円程度でプリントできるそうです。表紙だけ色紙を使ってカラー印刷したものを持ち込んで、差し込み印刷ができたりもします。

ネックは、一度印刷した紙をコピー機械でスキャンして印刷するので、データがぼけてしまうこと。セブンイレブンは、PDFデータを直接印刷するので品質に差がつくようですね。

印刷屋さんにお願いするよりも、かなり安くなるので、こちらも検討に入れようかなと思いました。まずは、原稿のデータができたら、コピー本で試してみるのもありですよね。

ということで、今回はここまで。さて。次回までには、印刷方法を決めておきたいなと思います。印刷所を使うのか、はたまたコピー本にするのか。悩ましいところですね。

ではでは、また次回!(^^)

 

この記事は、下記にて発表したコラムを後日の状況にあわせてリライトしたものです。

[日刊デジタルクリエーターズ] LIFE is 日々一歩(19)[コラム]
同人誌を作るには(1)〜印刷所を探してみた〜/森和恵
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20151005140100.html